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2026年W杯ダラス・モンテレイ観戦旅行|街歩き・グルメ・宿泊費

かるぺでぃえむ-死ぬまでに行きたいところがある-:ダラス・モンテレイ サッカー観戦旅

2026年のFIFAワールドカップを追って、ダラスからモンテレイへ。4大会連続、通算5回目の現地観戦となった今回は、フォートワースとアーリントンにも足を延ばした。スタジアムで過ごした時間と街歩きの記憶、立ち寄った飲食店、実際の宿泊費・空港移動費をまとめた。

チケットがなければ、来なかった街

「試合がなかったら、ここに来ていた?」

隣に立つ男にそう聞かれたら、僕は少し困ったと思う。

観光地を選ぶとき、人はもっともらしい理由を用意する。建築が好きだから。歴史に興味があるから。あの料理を食べてみたいから。僕にも、そういう理由はいくつもある。ただ、今回、アメリカ南部とメキシコ北部へ向かった最初の理由は、もう少し単純だった。

ワールドカップがある。

それで、飛行機を調べ始めるには十分だった。

4大会連続、通算5回目の現地観戦。旅先の名前はダラス、フォートワース、アーリントン、そしてモンテレイ。出発前の僕にとって、その街々をつないでいたのはフットボールだった。帰る頃には、その間に料理や人の顔や、博物館で立ち止まった時間が挟まっていた。

試合は旅の目的だった。けれど、旅の全部にはならなかった。

日本とチュニジアの国旗が広がるモンテレイのスタジアム

モンテレイ。夜空の下に、二つの国旗が広がった。

ダラス。街の大きさを、移動時間で知る

6月13日、ダラス・フォートワース国際空港から車に乗った。あとで記録を見返すと、市内まで22.43マイル、約30分。48.94ドルだった。

旅が終わると、こうした数字だけが妙にはっきり残ることがある。車窓の景色は混ざっていくのに、領収書の数字だけは、いつまでも変わらない。

ダラスという名前でまとめてしまうと、旅の地図は小さく見える。実際には、フォートワースもアーリントンも、それぞれの名前を持つ街だ。開催都市名と、会場がある場所も同じとは限らない。ワールドカップのDallas Stadiumはアーリントンにある。

旅程を組むときは「ダラスに泊まる」で終わらず、どこからどこへ移動するのかまで見る。その当たり前が、ここではずいぶん大切になる。

今回の旅では、アメリカでもメキシコでも、行く先々で親切にしてもらった。日本から来たと分かると、こちらが言葉を探している間にも、会話の続きを向こうが差し出してくれるような感覚があった。

壁画が描かれたダラスの建物

試合会場へ向かう道から外れると、街はまた違う顔を見せる。

アーリントン。オレンジ色の人波の先へ

会場へ向かう道には、オレンジ色のシャツが続いていた。背中の名前を読み、旗を見上げ、その流れに混ざって歩く。まだボールは動いていないのに、もう試合の中にいるようだった。

オレンジ色の服を着たサポーターが歩く会場周辺

オランダのサポーターに混ざって、会場へ向かう。

席に着くと、巨大なスクリーンがピッチの上に浮かんでいた。画面の中の選手は大きく、芝の上の選手は小さい。その両方が同じ場所にいる。目を上げたり下げたりしながら、ようやくここまで来たのだと思った。

日本とオランダの国旗が、芝の上に広がる。テレビで何度も見てきた景色の中に、今は自分の席がある。4大会続けて来ても、そのことには慣れない。

日本対オランダの試合前、国旗と巨大スクリーン

日本対オランダ。画面の向こうにあった場所へ、また来た。

別の試合では、同じピッチにイングランドとクロアチアの旗が並んだ。建物は変わらない。それでも、客席の色が変わると、違う場所に来たように見える。ここに集まった人たちにも、それぞれ出発した街があり、帰っていく暮らしがあるのだろう。

イングランドとクロアチアの国旗が広がるピッチ

同じ会場に、今度はイングランドとクロアチアの色が集まる。

フォートワース。角の長い牛が、道を横切る

フォートワースでは、道を牛が歩いていた。

大きく左右へ張り出した角。その後ろに馬に乗った人が続く。通りの両側では、みんなが立ち止まって見ていた。僕もその一人になった。次の予定を考えていたのに、牛の歩く速さに、しばらく付き合うことになった。

長い角の牛と騎乗した人が通りを進む

フォートワースで足を止めた、牛の行進。

土産物の店先には、毛のついた大きな頭部の飾りが並んでいた。テキサスという言葉からぼんやり思い描いていたものが、妙に具体的な大きさになって目の前にある。写真に収めてみても、少しはみ出しそうだった。

旅の途中には、野球を観る時間もあった。アーリントンの球場では、広い屋根の下に芝と赤茶色の内野が広がっていた。四角いピッチを見慣れた目には、扇形に広がるフィールドが新鮮だった。

屋根の下に広がるアーリントンの野球場

ワールドカップを追う旅の途中で、野球場にも腰を下ろした。

僕より先に、ここへ来ていた人たち

ルイスは、僕のユニフォームを指さした。

「日本?」

うなずくと、選手の名前が返ってきた。うまく聞き取れず、顔を寄せる。彼は今度はゆっくりと言い、僕が分かった顔をすると、満足そうに笑った。

名前を教え合ったのは、そのあとだった。

旅に出ると、順番が変わる。どこで働いているか、何歳か、普段なら人を知る手がかりにすることを何も知らないまま、一緒に笑う。名前さえ知らなかった数分間の方が、その後の自己紹介よりも、相手のことを教えてくれる気がした。

「君の国の人には、前にも会ったよ」

ルイスはそう言った。誰だったのか、聞きそびれた。

その日本人も、どこかでこうして言葉を探したのだろうか。分からない発音を聞き返し、笑い、別れ際に手を上げただろうか。僕の知らない人の旅が終わったあとにも、その人のいた時間は、この街に残っていた。

今回、アメリカでもメキシコでも、何度も親切にされた。そのたび、自分ひとりでここまで来たつもりになっていたことを思った。

飛行機の座席は、自分で買った。宿も探した。けれど、初めての街で差し出された親しさには、僕がまだ返していないものが含まれている。先にここへ来た誰かが、少しずつ置いていったものなのかもしれなかった。

別れるとき、ルイスは片手を上げた。僕も同じようにした。

歩き出してから、もう一度振り向いた。彼はもう、別の方を向いていた。もう会わないかもしれない人との別れは、いつも拍子抜けするほど短い。

それなのに、あとから思い出す。

僕もいつか、彼の話す「前に会った日本人」になる。そのとき、どんな顔で思い出してもらえるだろう。

モンテレイ。博物館で、旅の地図が変わる

モンテレイでは、試合の外側にある時間を、街を知るために使った。

Museo del Palacioの中庭では、二階の手すりにメキシコと日本の国旗が交互に並んでいた。石造りのアーチを目で追うと、また日の丸がある。その隣には、またメキシコの旗。遠くへ来たつもりなのに、見慣れたものが回廊をぐるりと囲んでいる。

並んだ旗を見上げて、立ち止まった。スタジアムで見る日の丸とは、少し違って見えた。ここにはピッチも、対戦相手もいない。ただ、よその街の中庭に、自分の国の旗がある。それだけのことが、思いがけずうれしかった。

博物館で気になったのは、街が出来上がるまでの時間だった。建設と定着の試み、うまくいかなかったこと、それでもまた同じ土地へ戻ってきた人たち。展示を見ながら、なぜ失敗してもこの場所にこだわったのだろう、と考えた。

旅行者の僕は、気に入らなければ次の街へ行ける。そこに暮らしを作ろうとした人たちは、そう簡単ではなかったはずだ。

Museo de Historia Mexicanaでも、展示の前で足を止めた。絵文書の読み方をひとつ知るだけで、それまで模様に見えていたものが、情報を伝えるための形に変わる。こちらが読み方を知らなかっただけで、ずっと何かを語っていたのだ。

メキシコ北東部の歴史を扱うMuseo del Noresteは、ヌエボ・レオン、コアウイラ、タマウリパスに加え、テキサスも対象にしている。ダラスから来た僕には、その説明が気になった。飛行機で国境を越えた二つの土地が、別々の箱に収まっているわけではない。

出発前は、試合会場を線で結んで旅程を作った。ここでは、人々の移動や暮らしが、その線とは違う地図を見せてくれた。

歴史は点ではなく、線で動いている。旅の終わりにそう書きたくなったのは、こんな時間があったからだと思う。

石造りの回廊に交互に掲げられたメキシコと日本の国旗

Museo del Palacioの中庭。アーチの下に、メキシコと日本の旗が並んでいた。

大きなメキシコ国旗と列柱のある建物

外へ出ると、大きなメキシコ国旗が空を占めていた。

食べるために、もう少し歩く

博物館を出ると、腹が減っていた。さっきまで展示の前であれこれ考えていたのに、今は食べる場所を探している。

モンテレイでは、Taquería La Mexicanaでタコスを4つ頼んだ。Deshebrada、Chicharrón、Carnitas、Papa。ひとつ17ペソ。飲み物を加えて90ペソだった。

知らない料理の名前を口にするときは、いつも少し心細い。メニューを指しながら言い直す。その言葉が通じて、注文がひとつ決まる。注文が通ると、少しほっとする。

タコスを食べている間は、展示のことも忘れていた。

旅の終わりが近づくと、食事の回数まで残りを数えるようになる。行けなかった店はまだあるのに、今日の胃袋には限りがあって、空港へ向かう時間も決まっている。

次に来ればいい、と考えた。

その言葉を、本当の予定にできた街がいくつあっただろう。それでも、もう来ないとは思いたくなかった。

写真には、アボカドやトマトを挟んだパンが、調理台にずらりと並ぶ場面も残っていた。出来上がった一皿だけではなく、誰かの食事になっていく途中まで撮っていたらしい。旅の記憶は、食べたものの名前だけでは整理しきれない。

調理台に並ぶアボカドやトマトを挟んだパン

アボカドやトマトを挟んだパンが、調理台に並ぶ。

モンテレイ。山の下で、もう一度スタジアムへ

会場へ向かう人の背中の向こうに、山があった。雲が稜線を隠し、その下でスタジアムが明るくなっていた。ダラスでは巨大な屋根を見上げた。ここでは、その建物よりも先に、山へ目がいった。

山と雲を背にしたモンテレイのスタジアムへ向かう人々

山の下に灯りがともる。モンテレイの会場へ。

客席に入ると、屋根の切れ目に夜空が残っていた。照明に照らされた芝と、暗い空。その境目を見上げていると、さっきまで歩いていた街と、この熱気のある場所が、ひと続きなのだと分かる。

日本とチュニジアの旗が広がる。国を越え、街を替えて、また日本の試合を待っている。ここへ来るまでに見た建物も、食べたものも、今だけは頭の少し後ろへ退いていった。

大会のカップ越しに見るモンテレイのピッチ

手元のカップと、目の前のピッチ。今夜はここが旅の真ん中だった。

帰りの車に残った、90分の外側

6月21日、モンテレイ中心部から空港へ向かった。利用記録では32.95キロ、約30分、429.93ペソ。

ダラスに着いた日の数字と、モンテレイを離れた日の数字。その間に、4つの街と、5回目のワールドカップが入っている。

スマートフォンで写真を見返していると、スタジアムの次に建物が現れ、その次に料理が出てくる。何を撮ったのか一瞬分からない写真もある。拡大して、そうだった、と思い出す。

撮ったときには小さかったものが、帰る頃には旅の大事な部分になっている。

ワールドカップがなければ、この組み合わせで旅をしただろうか。たぶん、しなかった。

けれど、来てよかった理由を聞かれたら、もう試合の話だけでは足りない。親切にしてくれた人のこと。二つの国旗のこと。展示の前で抱いた疑問。食べきれなかったメニューのこと。

次に誰かがモンテレイに行くと言ったら、僕はきっと、頼まれてもいないのに話し始める。

「試合のない時間も、少し空けておいた方がいいよ」

それから、どこから話そうかと迷うと思う。

車は空港へ向かっていた。画面を消すと、窓の外にまだ街があった。写真の中では、いつでも戻れるように見える。その場所から、僕だけが少しずつ遠ざかっていた。

ダラス・モンテレイの空港移動と費用

2026年6月に利用した空港送迎の料金です。所要時間は約5分単位の目安。配車料金は時間帯や混雑によって変わります。

区間サービス所要時間支払総額
DFW空港ターミナルD → ダラス市内UberX約30分US$48.94
ダラス市内 → DFW空港ターミナルDWait & Save約30分US$42.03
モンテレイ中心部 → MTY空港ターミナルBUberX約30分MX$429.93

空港へ向かう予定を組むときは、この乗車時間に配車待ちと空港での手続き時間を別途加える必要があります。とくにイベント日は、平常時の移動記録だけで判断しない方が安心です。

街歩きに歴史を加えたいなら、モンテレイの「3 Museos」は候補になります。展示内容や開館状況は3 Museos公式サイトで確認できます。

サッカーを目的にした別の旅も、ビルバオ・サンマメスの観戦体験にまとめています。こちらは過去の訪問記です。会場や街が変わると、観戦旅行の楽しみ方も変わります。

ダラス・モンテレイで泊まった宿と宿泊費

今回の宿は、2都市ともAirbnbで予約した。ダラスに5泊、モンテレイに3泊。宿名と泊数、宿泊費をまとめた。

都市宿名(予約時の掲載名)泊数総額
ダラスLuxury Downtown Dallas 1BR APT garage parkingWiFi5泊109,026円
モンテレイCentro de MTY | Loft moderno y equipado3泊70,941円

宿泊費は8泊で計179,967円。Airbnbの日本円表示で、ワールドカップ開催期間中の料金です。

どちらも予約上のチェックインは15時、チェックアウトは11時。ダラスはキーパッド、モンテレイはビルのスタッフによるセルフチェックインの案内でした。

ダラスの宿はダウンタウンに近く、食事にも買い物にも便利だった。

モンテレイの宿は、観光スポットから少し頑張れば歩いて帰れる距離にありながら、比較的静かなエリアにあった。観光から戻って、ゆっくり休めるのがよかった。近くには、Tortas La Purisimaというおいしいサンドウィッチ屋もあった。旅先でまた食べたいものがひとつできると、宿の周りまで少し親しくなる。

歩くには少し距離があるので、暑い日や夜は車を使うのもよいと思う。

ダラス・モンテレイで立ち寄った飲食店

ダラス・アーリントン

店・会場お店の特徴お会計額
RJ Mexican Cuisineウエストエンドのメキシコ料理店。ファヒータやステーキも揃う。US$24.37(税・自動加算20%サービス料含む)※現金価格の併記はUS$23.44。決済額は確認待ち
Whataburger(球場内)球場内で利用できるハンバーガー店。観戦の合間の食事に。US$11(税・会場手数料含む)
Terry Black’s BarbecueディープエルムのテキサスBBQ店。肉を量り売りで選ぶスタイルで、にぎやかでカジュアルな雰囲気。ブリスケットやリブが看板料理。US$26.02(税含む)
Off The Recordレコードショップとバーを組み合わせた店。音楽とクラフトビールを楽しむ、ディープエルムらしい一軒。US$13(手書きチップUS$3を含む記入額)
Armoury D.E.歴史ある建物を使った気取らないバー。ハンガリーの家庭料理と豊富な酒類、ライブ音楽を組み合わせている。US$12.80(税含む・追加チップ不明)
Bowen House古い住宅を生かしたバー。工夫を凝らしたカクテルと、家の中で過ごすような雰囲気が特徴。US$17.16(税・手書きチップUS$2を含む記入額)
Velvet Taco世界各地の料理をタコスに取り入れる、自由な発想の店。伝統的なタコスとは違った組み合わせを楽しめる。US$27.61(税含む)
AllGood Cafeディープエルムのアメリカンカフェ。パンケーキなどの朝食メニューと、音楽色のある昔ながらの内装が特徴。US$17.31(税含む)

モンテレイ・サンペドロ周辺

お店の特徴お会計額
Morandanaプリシマ地区の朝食・ブランチ向けカフェ。パンケーキやクロワッサンを中心に、明るく現代的な店内。MX$306.90(利用額279+チップ27.90)
La Fondita家庭的な朝食・昼食の店。静かで、どこか昔を思わせる雰囲気。MX$113.85(利用額99+チップ14.85)
Colmilloストリートフードを発展させた料理と肉料理を、暗めの照明と音楽のある空間で楽しむ店。MX$3,493.60(利用額3,176+チップ317.60)
Rest Bar 1900旅の途中で立ち寄ったバー。MX$577.50(利用額525+チップ52.50)
Taquería La Mexicana中心部の気軽なタコス店。家庭的な料理と飾らない雰囲気が特徴で、街歩き中の食事に。MX$90(税込)
La Carta朝食から食事まで利用できるレストラン。気取らず過ごせる、居心地のよい雰囲気。MX$275(利用額250+チップ25)
Astromelia古い邸宅に庭を備えたカフェ。小さな入口の奥に緑のある空間が広がり、街歩きの合間の休憩に。MX$55
Tortas La Purisimaプリシマ教会近くのトルタ(メキシコのサンドウィッチ)の店。宿の近くにあり、サンドウィッチがおいしかった。金額は忘れた

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