エールフランス ファーストクラス搭乗記|35万マイルでラ・プルミエール、パリから羽田へ

エールフランス ラ・プルミエール搭乗記 パリから羽田へ 2026年3月 ヨーロッパ

「これは飲んでおいた方がいいわ」

パリ、シャルル・ド・ゴール空港。ラウンジで隣り合わせたマダムに、ワインを勧められた。

シャンパンに白、そして赤。この日は、食事と一緒にいろいろ頼んだ。白い上着のスタッフがボトルをこちらに向けてくれる。ラベルには、フランスの土地の名前と、ぶどうが収穫された年が書かれている。

今夜はここから、エールフランスのファーストクラス「ラ・プルミエール」で日本へ帰る。長く憧れていた旅の始まりに、隣の席からそんな一言をもらった。

35万マイルで、本場フランスから乗りたかった

ラ・プルミエールには、いつか乗ってみたいと思っていた。乗るなら、本場のフランスから。パリの空港で過ごす時間から、機内の食事までを、ひと続きで体験してみたかった。

使ったのは、普段の旅行で貯めてきたFlying Blueの35万マイル。税金やサーチャージなどで、別に386.35ユーロを支払った。

2026年3月初旬。パリから羽田へ向かうAF274便、座席は1Aだった。

この便に乗るために使ったマイルには、それまでの旅行が積み重なっている。何度も飛行機に乗って貯まった数字を、今度は、長年乗りたかった一便に使うことにした。

ホテルの前に、迎えの車が来る

ホテルの車寄せに停車した空港送迎車
ホテルから空港への迎えも、今回の旅に含まれていた。

パリで泊まったのは、インターコンチネンタル パリ ル・グラン(InterContinental Paris – Le Grand)。プルミエールに乗るのだから、ホテルもちょっといいところにしよう。そんなふうに妙に背伸びをした結果、飛行機に乗る前から財布が寂しくなっていた。

空港へ向かう車は、このホテルまで迎えに来てくれた。今回の利用では追加料金はかからなかった。

ホテルの車寄せに黒い車が止まっている。屋根の下には灯りが並び、車の後ろには街の通りが見える。ここからすでに、ラ・プルミエールの旅が始まっていた。

後部座席に乗り、シャルル・ド・ゴール空港へ向かう。空港に着いたのは、搭乗の4時間前だった。ラウンジの食事が楽しみで、早めに来たのだ。

赤い「LA PREMIÈRE」の表示がある専用入口へ。ホテルの車寄せから、受付へと進んでいく。

CDG空港のラ・プルミエール専用入口
赤い表示を目印に、ラ・プルミエールの専用入口へ。

搭乗券に書かれた出発時刻は21時55分。機内で過ごす時間の前に、空港での時間がまだ残っていた。

改装中のラウンジと、隣のマダム

2026年3月に利用した代替ラウンジの赤い椅子と白いテーブル
改装中の専用ラウンジに代わって案内された空間。

このとき、本来のラ・プルミエールのラウンジは改装中で、案内されたのは代替のラウンジだった。

グレーのカーテンとソファの間に、鮮やかな赤い椅子が置かれている。丸い白いテーブルには、赤い表紙のメニュー。頭上には、丸みを帯びた灯りが浮かんでいた。

長年憧れて、ようやく来た日に改装中。できれば本来のラウンジも見てみたかった。改装後は、もっと豪華になっていると信じたい。

スタッフが見せてくれたテタンジェ コント・ド・シャンパーニュ2014
ラウンジでいただいたコント・ド・シャンパーニュ2014。

シャンパンを頼むと、スタッフが見せてくれたのは、テタンジェの「コント・ド・シャンパーニュ2014」。白い上着の前に、丸みのある緑のボトルが差し出される。

隣のマダムからワインを勧められたのも、このラウンジだった。これを飲んでおいた方がいい、と。メニューを開くだけでは始まらなかった会話が、一杯をきっかけに生まれる。

どれだけ立派なラウンジだったかを説明しようとすると、広さや家具の話になる。でも、この日のことを思い出すと、隣の人にワインを勧められた場面が出てくる。

搭乗前に、白いテーブルで食事をする

食事のテーブルには白いクロスが掛かっていた。魚の皿には、白い身のまわりに淡い色のスープが注がれている。この日のメニューにあったのは、ターボットに季節の野菜とブロスを合わせた料理だった。

赤い表紙のメニューには、牛ほほ肉、黒トリュフとハムのパスタ、温かいサンドイッチなども並んでいた。これから飛行機で食事をするのに、地上にも選びたいものがある。

ブシャール ボーヌ・デュ・シャトー プルミエ・クリュ2019の白ワイン
ラウンジの白ワイン、ボーヌ・デュ・シャトー2019。

白ワインのボトルには「ボーヌ・デュ・シャトー、プルミエ・クリュ2019」。ブシャール・ペール・エ・フィスの名前が入っている。

ドメーヌ・ジャン・フルニエ ジュヴレ・シャンベルタン2023
ラウンジの赤ワイン、ジュヴレ・シャンベルタン2023。

赤はドメーヌ・ジャン・フルニエのジュヴレ・シャンベルタン2023。スタッフがボトルを見せてくれるたび、ラベルを写真に残した。机の上のグラスと、目の前に向けてもらったボトル。飲んだ時間を振り返るとき、その両方が残っている。

地上で飲んだワインと、このあと機内で飲むワインは別のものだ。ラウンジの食事だけでも、出発前の一つの出来事として書き残しておきたくなる。

ラウンジから車へ、そして搭乗機へ

ラウンジの車寄せに停車したポルシェと開いた後部ドア
ラウンジから搭乗機への移動も車で。

搭乗へ向かうときは、ラウンジから車へ移動した。赤い壁のある車寄せに、ポルシェが待っている。ドアが開き、後部座席に乗り込む。

ホテルから空港へ来たときに続いて、ここでも車に乗る。今度の行き先は、ターミナルの入口ではなく、飛行機だった。

夜のCDGで搭乗橋の下から見たエールフランスの機体
夜の照明の下、搭乗機のすぐそばへ。

外はもう暗い。照明を受けた機体と、その下にある大きなエンジンが見えた。上には搭乗橋が伸びている。ラウンジの白いテーブルから、夜の空港へ。飛行機のすぐそばまで来ると、食事をしていた時間がようやく出発につながった。

ここから機内へ進み、1Aへ。ホテルから始まった案内は、空港の受付やラウンジを経て、座席まで続いていた。

ラ・プルミエールの1Aに座る

従来型ラ・プルミエール1Aのグレーの座席と赤いひざ掛け
この日に搭乗した従来型のラ・プルミエール。

座席は明るいグレーで、赤いひざ掛けが置かれていた。脇には、小さな卓上ランプ。窓のそばの壁も、テーブルも淡い色でそろっている。

今回乗ったのは、従来型のラ・プルミエールだ。椅子と寝椅子が別々に並ぶ新型とは違い、この座席をベッドにして過ごす。

座面の広さだけでなく、手の届くところにランプがあることや、赤い布が置かれていることが目に入る。飛行機の座席を見ているのに、家具の細部を眺めているようだった。

快適なのは間違いない。ただ、丁寧に世話をしてもらうたびに、少し恐縮もする。ずっと乗りたかった席に来たのに、その待遇にすぐ慣れるわけではなかった。

機内でも、フランスの食卓が続く

機内のジョゼフ・ドルーアン シャサーニュ・モンラッシェ シュヌヴォット2023
機内で見せてもらった白ワインのボトル。

機内で白ワインを頼むと、客室乗務員がボトルのラベルをこちらに向け、ワインの説明をしてくれた。ボトルを間に、席でその話を聞く。

ジョゼフ・ドルーアンの「シャサーニュ・モンラッシェ・プルミエ・クリュ・シュヌヴォット2023」。ラウンジとは、また違う名前がラベルにある。目の前の一本について教えてもらう時間も、食事の一部になっていた。

テーブルに白いクロスが掛かり、皿とグラスが並ぶ。夕食のメニューには、アンヌ=ソフィー・ピックの名前が添えられていた。

機内で提供されたキャビアとパンケーキ、クリームの皿
機内の夕食。キャビアに、小さなパンケーキを添えて。

キャビアの皿には、小さなパンケーキとクリーム、黄色いレモン。広い白い皿の上で、黒い粒がまとまっている。

甲イカに緑と紫の野菜、黄色いクリームを合わせた前菜
甲イカと海藻のコンフィ、サフラン風味のクリーム。

続く甲イカの前菜は、ぐっと色が増える。白いイカに、緑と紫のカリフラワー、黄色いクリーム。メニューには、海藻のコンフィ、軽やかな酸味のサフラン風味クリーム、キャベツのデクリネゾンと書かれていた。

料理を前にすると、席の広さとは別のところで、本場フランスから乗りたかった気持ちが満たされる。ラウンジで過ごした食事の時間が、機内でも続いていた。

箱に並んだピエール・エルメのチョコレート3種
小さな箱に収まった三つのチョコレート。

ピエール・エルメのチョコレートは、小さな箱に三つ。表面の模様も色も少しずつ違う。大きな皿を使う食事のあとに、手のひらに収まる箱がある。

布団を敷いてもらう夜

カーテンを閉めた座席で白い寝具に脚を伸ばした様子
客室乗務員が整えてくれた寝具で横になる。

寝るときには、客室乗務員が寝具を整えてくれた。座席の上に白い布団が敷かれていく。

ここまでしてもらっていいのだろうか、と少し恐縮する。もちろん、それも含めてこの席のサービスなのだろう。それでも、自分のために布団を敷いてもらう場面では、座席表を見ていたときとは違う実感があった。

カーテンを閉めた内側で、脚を伸ばす。白い寝具が足元まで続いている。さっきまで食事をしていた場所で、そのまま横になれる。

広い座席に座ることを想像していた旅は、いつの間にか、飛行機の中で布団に入る時間になっていた。

窓辺の朝食、そして羽田へ

機内の窓辺に並ぶクロワッサンやジュースの朝食
同じ席が、朝にはまた食卓になる。

朝食のテーブルには、クロワッサンとパン、ジュースが並んだ。小さな包みには「LE BEURRE BORDIER」の文字。ボルディエのバターだった。

りんごとルバーブのコンポートを使った朝食のクレープ
朝食のクレープ。細長く巻かれた生地を重ねて。

りんごとルバーブのコンポートを使ったクレープは、細長く巻かれ、皿の上で交差している。焼き色のついた生地の上に、薄い飾りが一枚。脇には種が散らされていた。

夜の食事、白い布団、窓辺の朝食。パリから日本へ向かうあいだ、同じ席のまわりが何度も整え直されていた。

羽田でも、前を歩いてくれる人がいた

羽田に到着してからも、スタッフの付き添いは続いた。入国審査へ向かい、預け荷物を受け取り、税関申告を済ませる。その間も、担当の人が前を歩いて案内してくれた。

荷物を持つことまで申し出てくれたが、そこは遠慮した。

「大丈夫です、自分で持ちます」

前を歩いてもらうだけでも、十分にありがたい。機内で布団を敷いてもらったときの、あの少し恐縮する気持ちが、羽田でも続いていた。

羽田空港第3ターミナルの到着後の館内風景
羽田に到着。

長年憧れていたファーストクラスには、広い席も、ワインも、きれいに盛られた食事もあった。それと一緒に思い出すのが、隣のマダムの一言や、寝具を整えてくれた手元、到着後に前を歩いてくれた人の姿だ。

ホテルへ迎えに来てもらってから、羽田で荷物を自分で持つまで。憧れていた一便には、飛行機に乗っていない時間も、ずいぶん含まれていた。

今回の搭乗情報と費用

搭乗日 2026年3月初旬
区間・便名 パリ・シャルル・ド・ゴール(CDG)→東京・羽田(HND)/AF274
予定時刻 21:55発→翌19:25着(いずれも現地時間)
座席・客室 1A/従来型のラ・プルミエール
航空券 Flying Blue特典航空券
使用マイル 350,000マイル(普段の旅行で貯めたもの)
現金支払額 386.35ユーロ(約69,100円)
内訳 航空会社のサーチャージ210ユーロ+その他税金等176.35ユーロ
ホテルからの迎え 今回の利用では追加料金なし
CDGのラウンジ 改装に伴う代替ラウンジを利用

日本円は2026年9月15日のECB参考レート、1ユーロ=178.86円で換算した目安です。実際の円建て決済額ではありません。ECBのユーロ/円参考レート

35万マイルと現金支払額は、この航空券の実績です。必要マイルや予約条件、送迎の対象範囲は、予約時に確認してください。

なお、エールフランスは2026年7月16日に、改装後のCDGラ・プルミエール・ラウンジを発表しています。この記事に写っているのは、3月に利用した代替ラウンジです。改装後のラウンジについての公式案内

客室も新旧で仕様が異なります。公式に紹介されている新型は、座席と寝椅子を備え、窓5枚分に広がる仕様。今回の従来型客室の写真と区別してご覧ください。

空港で過ごす時間と、フランスの街へ

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