ピンク、黄色、水色。ボ・カープの通りには、隣り合う家ごとに違う色がある。坂道には車が停まり、その先にも家が続いている。ケープタウンで撮った写真の中でも、ひときわ色の多い場所だった。

けれど、この街について書こうとすると、明るい壁の色だけでは足りなくなる。ボ・カープに重なる文化のこと。ディストリクト・シックス博物館にあった「白人専用」の看板のこと。海辺の夕景と一緒に、そういうものが記憶に残っている。
今回は、ケープタウンの市内を巡った記録をまとめた。霧のテーブルマウンテンからペンギンの浜、喜望峰へ向かった一日は、ケープ半島編へ。
ボ・カープ。色鮮やかな家の向こうにある暮らし

壁の色を追っていると、窓や扉にも目が向く。写真で見る鮮やかな街並みは、こうして一軒ずつの家でできている。そこには暮らしてきた人たちがいて、受け継いできた文化がある。
ボ・カープには、奴隷制の歴史、ケープ・マレーの文化、イスラム文化が重なっている。地区の歴史を伝えるイジコ・ボ・カープ博物館も、解放された奴隷の人々とムスリムの暮らしについて紹介している。[地域の背景:イジコ博物館]
ここで考えたのは、誰がケープタウンの文化を作ってきたのか、ということだった。街の美しさを見に来て、その街で暮らしてきた人たちの歴史が気になってくる。ボ・カープは、そんな場所だった。
ディストリクト・シックス博物館。「白人専用」の看板を見る

展示の中に、黄色い看板があった。「WHITES ONLY」。白人専用という言葉が、そこには実際の看板として残っている。アパルトヘイトは知識として知っていた。それでも、こうして使われていた物を見ると、本当に制度として存在していたのだと改めて驚く。

ディストリクト・シックスは、かつてさまざまな背景を持つ人が暮らす地区だった。1966年に白人地区に指定され、住民は強制移住させられた。博物館の説明では、6万人を超える人々が移され、家屋は取り壊されたという。[歴史の背景:ディストリクト・シックス博物館]
失われたのは、家だけではなかったはずだ。近所づきあい、商店、学校、礼拝所。そこで流れていた音楽や、日々の記憶まで、住んでいた場所と切り離されてしまう。
国家が街を壊すとは、どういうことなのか。ここでは、建物の数だけでは捉えられないものについて考えさせられた。「白人専用」の短い文字と、そこで失われた暮らしの大きさが、なかなか頭から離れない。
木陰の園路、黄色い中庭、海辺の夕方

市内では、カンパニーズ・ガーデンやキャッスル・オブ・グッド・ホープにも足を運んだ。公園では大きな木が園路の上に枝を広げ、城塞ではアーチの向こうに黄色い壁の中庭が見える。ボ・カープの住宅とも、博物館の展示室とも違う景色が、同じ街の中にある。

夕方のシーポイントでは、海沿いの道の向こうに空が広がっていた。ヤシの幹が黒く見える。市内の建物を見て回った旅の写真を辿ると、最後にこうした海辺の景色が出てくる。

店でビールを一杯。手元にはJack Blackの瓶があり、画面にはサッカーが映っている。ビールを飲みながら試合を見る時間は、旅先でもいつもと変わらない。
ケープタウンで泊まった宿
| 宿名 | 泊数 | 総額 |
|---|---|---|
| Romney Park Luxury Apartments | 3泊 | R8,389.50 約79,070円 |
円換算の参考:2026年5月1日、1 ZAR=9.4252円。日本円は10円単位の概算。為替レート
Romney Parkでは快適に過ごせた。主要なレストランエリアも近く、滞在先として良かった。ただ、周辺は夜に一人で歩くのは難しそうな雰囲気に感じた。あくまで今回の滞在中に受けた印象だが、昼と夜では移動の考え方が変わる場所だった。
ケープタウン市内から空港への移動
| 区間 | サービス | 所要時間 | 総額 |
|---|---|---|---|
| ケープタウン市内(Romney Park) → ケープタウン国際空港 | Uber Comfort | 約20分 | R294 約2,770円 |
円換算の参考:2026年5月1日、1 ZAR=9.4252円。日本円は10円単位の概算。為替レート
あわせて読みたい旅の記録
南アフリカ・ケープ半島旅行記では、霧の山から海沿いへ出て、ボルダーズ・ビーチ、喜望峰、ケープポイントを巡る。南部アフリカの別の景色は、ナミビア旅行記|ウィントフックからナミブ砂漠、デッドフレイへにもまとめた。
街歩きと現地での食事を読むなら、ダラス・モンテレイ観戦旅行記もどうぞ。
この滞在で利用した飲食店とお会計
| 店名 | お店の特徴 | お会計額 |
|---|---|---|
| Seven Colours Eatery | 南アフリカの家庭料理を、色とりどりの野菜と肉料理で楽しむ一軒。日曜日に家族で囲む「セブンカラーズ」の食卓をもとにした、彩り豊かな盛り合わせが特徴。 | R340 約3,200円 |
| The Office | スポーツ中継と音楽を楽しめる、Main Road沿いのカジュアルなバー。バーガーやチキンウイングと一緒にビールやカクテルを頼め、食事にも一杯だけにも立ち寄れる。 | R780 約7,350円 |
| Harveys | The Winchester Hotelにある海辺のバー。海に面したテラスがあり、プロムナードを眺めながらカクテルや食事を楽しめる。散歩の後に腰を落ち着けるにも良い場所。 | R521 約4,910円 |
円換算の参考:2026年5月1日、1 ZAR=9.4252円。日本円は10円単位の概算。為替レート



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